Archive for the ‘ライトトローリング’ Category

5.メジ(ヨコワ)を釣る

2006-12-21

■メジの季節

夏が終わり、カジキたちの姿も見えなくなるころ、カマスサワラはまだ居残っていますが、小さなクロマグロの子どもがやってきます。500~700グラムくらいで、紀州では「シビコ」と呼びます。(紀州ではマグロ類のことを「シビ」といいます)。シイラなどやほかの大きさの同じような回遊魚と群れをなしています。この頃は23~24度と水温も高く、もう少し水温が下がり、カツオの適水温の18~21度に近づくと、もどりガツオがやってきます。

適水温とは、必ずその水温でなければ釣れないというわけではなく、その対象魚が好む水温が基本になります。

例年メジは12月頃まで釣れますが、この頃水温は18度ぐらい。カツオに比べてメジのほうが適水温域の幅が広いと考えられます。例えば20度前後の水温の場合(カツオを釣っていてメジがまじる場合等)は、20度以上はメジで、20度以下はカツオのヒット率が高いということです。

ポイントはトローリングのセオリーどおり、潮目、トリヤマ、浮遊物。それに加えて、沖の瀬や沈み磯、沈船等の瀬付きになることも多いのです。この場合、このポイントの上を繰り返し仕掛けを曳きます。

■爆弾?仕掛け


メジを専門に狙うとなるとバクダン仕掛けというものを使います。今のところメジを釣るには、この仕掛けにかなうものはありません。メジは水面にあまり浮いて顔を出さない魚です。そのためバクダン仕掛け以外に潜行板の仕掛けを併用します。

下のイラストは、メジのバクダン仕掛けを流している状態ですが、バクダンという名前は、バクダンが上げる水しぶきが飛行機から爆弾を投下して着水する瞬間によく似ているためにこう呼ばれています。


バクダンが着水すると、水の抵抗を受けてアウトリガーがしなります。 しなったアウトリガーは反発して元にもどろうとします。そしてバクダンを跳ね上げます。 跳ね上げられたバクダンがまた着水するとアウトリガーがしなります。 この繰り返しがルアーに独自の動きを伝えます。

ルアーキャスティングの用語ではトゥイッチングとか、タッチ&ゴーなどと呼ぶルアーにアクションをつける動作がありますが、とにかく瞬間的に動きが止まっては素早く引かれ、また止まっては引かれの繰り返しです。

そして大切なのは素早く引かれるときに、ルアーが左右に小刻みに振れるバイブレーションのような動きです。そのためシャビキといわれるルアーを使いますが、このシャビキの調子が悪いとよい動きがでません。

■大事なセッティング

仕掛けはタカヤマからバクダンまでは、とりあえず2ヒロくらい(後で水面からアウトリガーの先端までの高さはボートによってまちまちなので調整しなくてはなりません)。バタダンの直径は110ミリのものが適当でしょう。テトロンコード30号、5ヒロ。これはカツオコードより表面がなめらかなもので、「トト糸」というものです。

次にグミ、40号のテグスに1.5匁のグミが20センチ間隔にあるものが5ヒロ、次に28号のテグスが、通しで5ヒロにシャビキを付けます。この仕掛けを左右のアウトリガーに。センターリガーがある場合はもう1本真ん中から流し、バクダンが左右のバクダンから10メートルくらい後方にくるようにします。バクダンから後は同じ仕掛けです。

潜行板はアウトリガーの根元2メートルくらいのところから1本ロープ(6ミリくらい)を手元に取っておきます。そこから、片方が9ヒロ、もう片方が12ヒロの長さで左右に潜行板を引きます。潜行板はカツオより一回り大きな10.5号か11号を使います。潜行板からのリーダーは、潜行板を持ってルアーまでが1ヒロ、リーダーだけの長さは約120センチくらいです。ルアーヘッドは、アワビやメキシコアワビ等が多用されます。タコベイトは、3.0号から3.5号の茶色やグリーンのダーク系の色が使われます。

これでセンターリガーを入れて5本の仕掛けですが、センターリガーがない場合は左右の4本でよいでしょう。

■流す際のポイント


仕掛けを流す位置は、それぞれどの位置で魚がヒットしても、仕掛けどうしが絡まずにランディングができるように流されなければなりません。

なお、バクダンの着水と、空中へ飛び上がるサイクルは、アウトリガー先端と水面の高さ、アウトリガー先端からバクダンまでの長さ(タカヤマ、プラス2ヒロのコード)、バクダンの表面積(水圧を受けるところ)、バクダンから後ろの仕掛けの抵抗、アウトリガーの硬さ、船速。この6つの条件を組み合わせて調整しなければなりません。

流し方の目安としては6~7ノットが基本。理想は、バクダンが着水してから再び空中に飛び出すまでの時間が1~1.5秒くらい。もちろんこれが絶対ではありませんが、バクダンが水中で受ける抵抗によりアウトリガーがしなり、その反発によってルアーにアクションをつけるわけですから、アウトリガーが十分しなるための抵抗と時間が必要なわけです。これは経験しないと分かりませんが、一度のみこめば簡単です。

漁師さんの世界でもメジが釣れたら一人前といいますが、むずかしいと思わず是非挑戦してください。

2.サワラを釣る

2006-12-21

■関西はサワラ釣りの本場


季節は4月からゴールデンウィークの頃、紀伊水道ではカツオがどんどん釣れているときです。1メートル前後の大きなサワラ(本鰭)は、大阪湾や瀬戸内海に産卵のためにやってきます。
関西ではモバコ、サゴシ、ヤナギ、サワラと名前の変わる出世魚です。9月頃からサゴシ(60センチくらいのもの)がよく釣れだし、秋も深まるとヤナギ(80センチくらいのもの)、サワラ(1メートル近いもの)が釣れ、冬になると外洋の深場へと下っていきます。

余談になりますが、関西のプレジャーボートのオーナーの方たちにとって、このサワラ仕掛けは、20年以上前から非常に馴染みの深い仕掛けです。当時プレジャーボートは20~25フィートクラスのものが主流で、ガソリン艇がほとんどでした。各マリーナでもやっとフィッシングクラブができだしたころです。

大阪府高石市にある高石マリーナに肥子(ひこ)さんというハーバーマスターがいました(現在も活躍されています)。肥子さんは元漁師で、このサワラ仕掛けを高石マリーナフィッシングクラブのオーナーたちに普及させました。当時関西のプレジャーボートのオーナーたちはサワラ釣りについては、高石マリーナフィッシングクラブのオーナーの方たちにはかなわなかったのです。

肥子さんのおかげで釣る喜びを知ったフィッシングクラブのオーナーの方たちは、今も活発な活動をされています。それから勝浦ビルフィッシュトーナメント等を経て、ボートもどんどん大きくなり、その当時のフィッシングクラブの面々も、ほとんどの方が現在はビッグゲームの世界でも活躍されています。

■重要な長さと重さ

仕掛けは、図にありますように3本、センターリガーがなければ左右の2本でOKです。左右互い違いにグミの量で深さを変え、長さも少しずらします。これは対象魚の泳層を探ることとお互いの仕掛けがオマツリしないようにするためです。

ツバメ型の潜行板は左右には振らず、まっすぐに曳かれていきます。この潜行板はグミの量が少なくても仕掛けを沈める効果があります。仕掛けの寸法は図に示したとおりですが、この場合グミのミキイトは40号に3匁のグミが20センチ間隔に15メートル(10ヒロ)と、もう一方は30メートル(20ヒロ)です。

1匁は3.75グラムですから、3匁で11.25グラム。15メートルのグミ糸に20センチ間隔で3匁のグミが75個、合計で844グラムになります。もう一方の30メートルは倍の1688グラムになります。サワラ仕掛けでは、500グラムから1800グラムくらいまでグミ糸を使うのが一般的です。

市販のグミ糸は、40号くらいから80号くらいのミキイトのテグスに1匁から5匁くらいまでの各種のグミを加工したもので、20センチ間隔と15センチ山間隔のものがあります。

グミ仕掛けを作るときは自分が作ろうとする仕掛けの全体の長さとオモリの量を考えて、作らなければなりません。たとえば100メートル以上のグミ糸を使う場合、手元になるほどミキイトを太くしなければなりません。50メートルほど80号のミキイトでその先は60号を30メートル、その先40号を30メートルといった具合です。100メートル以上のグミ糸を扱うのは慣れた漁師さんでも容易なことではありません。できるだけ少ないグミ糸と潜行板等の併用で工夫をするべきだと思います。

■ポイントによって変わるルアーと曳き

グミ曳きの仕掛けを使うときの最大の問題点はルアーの選定です。「トローリング入門」の「曳き縄釣り仕掛け」の項で紹介しました「バクダン仕掛け」とは正反対に、グミ糸やツバメ型の潜行板自身にはこれといったアクションはありません。そのためにルアー自身にアクションのあるものを使わなければなりません。それは、テンテンというプラスチック製のツノや、弓角等です。今回はパールに背がピンクや赤筋の入ったもので、できるだけテンテンがくるくると回転しやすいように、リーダーも細めで18号までのものを2ヒロ、そしてスイベルを必ず入れます。このテンテンは大阪湾では最強のルアーです。

この仕掛けの全長は、アウトリガー用で29ヒロ(43.5メートル)、もう片方は39ヒロ(58.5メートル)、センターリガー42ヒロ(63メートル)となり、これはタカヤマから先の寸法です。

この仕掛けを使うにあたって絶対にしてはならないことが1つあります。それはボートを停止することです。ボートを止めると水深によっては仕掛けが海底を引っかけます。秋のサゴシからサワラを釣るには、この図のとおりの寸法でよいのですが、春の大きなサワラを釣るにはグミの量を倍ぐらいに増やし、ミキイトも10ヒロほど長くして深場を探ります。

船速は5~6ノットくらい。テンテンを曳くときはくるくると回転をよくするために少し早めに曳きます。深場を狙うときは弓角などを使い船速も少しゆっくりめに曳きます。大阪湾の場合はほとんどの所が水深20メートルくらいで、深い所はごく限られています。常に船速と水深を考えて仕掛けを傷めないように曳きましょう。

秋にはこの仕掛けでサワラやタチウオなどもよくヒットします。ポイントは沿岸域の水深20メートル前後の沈み磯の多い付近です。サワラのポイントは外洋とは違って内湾になります。まず水色は濁り潮の方がよく、澄み潮はあまり期待できません。内湾の海底は砂や泥の平坦な形が多いので、ポイントとなる所は海底に起伏のある所、たとえば沈船や沈み磯、航路の澪筋などで、航路ブイなどの海中建造物の付近、大きな川の河口付近、それに伴う潮目、停泊中の大型船の周り。朝夕のマヅメ時、潮変わりの前後などです。

1.カツオを釣る

2006-12-21

■曳き縄釣りの6つの要素


「目には青葉、山ホトトギス、初鰹」という句にあるように、黒潮の水温が変わらない限り、この時期カツオは日本の太平洋沿岸にやってきます。

カツオの適水温は18度から21度くらいの間。春に黒潮にのって北上し、寒流とぶつかるあたりまで行き、秋、適水温まで下がった頃、戻りガツオの名の通り再び戻ってきます。

私は曳き縄釣りは必ず釣れる釣りと考えていますが、そのためにはいくつかの要素を満たさなくてはなりません。その要素を簡単に説明します。

①水 温

黒潮は遠目にみると黒く、近くで見るとインクブルーの様な色に見えます。テレビなどで見るハワイ沖の海の色と同じです。日本の沿岸、特に岸近くの海域によく見られる緑色がかった水色は、水温も低く、カツオの適水温ではありません。紀伊半島はここ15年くらい黒潮の動きは安定していますが、関東の場合、黒潮の蛇行によって年ごとに状況が変わります。

日頃からどのあたりの漁港でカツオが水揚げされているか、マリーナでカツオを釣られた方がいればどこで釣ったか、水温は何度だったか、この3つは常に注意しておきます。

漁船であれプレジャーボートであれ、前日に釣れたという情報があれば七分くらい釣れたと同じです。トローリングでは水温計が威力を発揮します。そのため市販されているアルコール製などの水温計を使い、正確な水温を計り、ボートに取り付けられた水温計の誤差を補正しておきます。

②潮 目

カツオは大きな群れになって遊泳しています。水面に顔を出すこともあり、そのためルアーはあまり沈めなくても水面で釣れます。

水温の情報である程度狙う海域が絞れたら、まず潮目をさがします。潮日の見分け方は、潮の色がはっきり分かれている、流水藻やゴミが帯状に続いている、水温計が微妙に変化するといったことが目安になります。また多くの場合、鳥が潮目を教えてくれます。鳥は潮日に沿って飛んでいることが多いからです。

③鳥 山

鳥山もカツオの居場所を教えてくれます。鳥山とはカツオなどの回遊魚に追われた小魚が水面へと逃げ、それに鳥が群がっている状態のことを言います。したがって鳥山の下にはかなりの確率でカツオなどの回遊魚がいます。ナブラを発見したら、ナブラの先頭を追いながら釣ります。ナブラの方向は鳥が教えてくれます。

④浮遊物

必ず近づいてみなくてはならないのは大きな浮遊物です。浮遊物は古いものほど良く、その下に、回遊魚がついていることがあります。これを「木づき」といい、ジンベイザメなどにつくのを「サメつき」と呼びます。ボートにつく場合もあります。回遊魚は物の影につく習性があるわけです。

⑤操 船

ナブラがないときにカツオがヒットしたら、まずはヒットした仕掛けの舷側にハンドルを少し切りながら旋回します。ランディング(取り込み)はアウトリガー先端のヒコーキやトップ(センターリガーがある場合)にヒットした場合、すぐにランディングせずにおとりとして置いておきます。そしてほかの仕掛けに追い食いしてきたカツオを順にランディングしていきます。

また魚から針をはずしたら仕掛けはまたすぐに流します。はずした針とルアーを足元に置きっぱなしにしておくと足で踏んでしまったりラインと絡まるなどトラブルの原因になります。

⑥仕掛け

図にあるのが一般的なカツオの曳き縄釣り仕掛けの流し方です。片舷に3つずつ、合計6つの仕掛けを流します。1つの仕掛けにルアーをいくつも付けると、魚がヒットして走り回り、仕掛け同士がオマツリをしてしまうため各仕掛けにルアーは1つしか使いません。

アウトリガー先端のヒコーキ仕掛けはタカヤマの先端からルアーまで20ヒロ、約30メートル、トランサムからのルアーまでの長さはタカヤマの分も入れて約35メートルです。このカツオの仕掛けがトローリングの様々な仕掛けの中で一番ボートからルアーまでの長さが短い仕掛けです。漁船はもう少し短くします。この寸法はプレジャーボート向けに水中排気や2機掛けエンジン等を考えて、長年の経験から私が決めた寸法で非常に高い実績があります。

ヒコーキから2ヒロ目にナツメオモリ(10号くらい)をつけると、風の強い日や波の高いときにルアーが安定します。

2番目のラビット仕掛けはボートの曳き波によりできた白い泡の筋の上を引きます。ラビットの後ろのタコベイトによるティーザーは、私の発案ですが思わぬ釣果をもたらすことがしばしばあります。

潜行板はカツオの場合9.5号から9号を使います。コードには強度が求められるため、3ミリくらいのナイロンコードに樹脂をからめたアシモリコードというものを使います。さらにクリートに結びやすいように手元1ヒロに6ミリくらいのクレモナロープなどを使います。

潜行板から後ろのリーダーは矢ビキ (1メートル)くらい、ルアーは3号のベイトにヘッドを少し小さめや軽めのものを使い、針はダブルフック。潜行板の調整方法は、まず潜行板が見える水深3メートルくらいで潜行板の振りを見ます。ゆっくり8の字に振るのはダメです。カツオの場合ははげしく左右にくの字に振るのが理想です。はげしく振りすぎて水面に浮いてきてしまうものには潜行板の後部からタコ糸を流すか、潜行板の裏面に取り付けたゴム板を幅がもう1ミリ太いものに替えます。

このゴム板の取り付け位置を左右に動かすことで潜行板仕掛けを右寄り、または左寄りに流すことができます。

潜行板仕掛けにはスイベルやショックコードは使いません。スイベルはその重量や体積によって、潜行板の微妙なバランスがとれにくくなるためです。

ティーザーを工夫することも大切です。ティーザーを流すことによって、より魚に対してアピールできるからです。例えば2隻のボートが同じ方向へ並んでトローリングをしているとします。その後にカツオのナブラが近づいてきたら、当然アピール度の強い方にヒットします。

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■食べて美味しいカツオとは


毎年ボートショーが終り春一番、二番と吹き終わると、いよいよオフショア・フィッシングの時節到来となります。最初の釣り物はなんといってもカツオです。例年だと3月の終わり頃から沿岸に近づいてきて、5月の連休くらいまでよく釣れます。

ここでちょっとカツオの味について触れてみます。昔、カツオは江戸っ子が嫁を質屋に置いてでも食ったといわれるほど美味しい魚です。とくに漁師の間で「もちガツオ」と呼ばれる身がもちのように柔らかくてもちもちしたカツオは絶品です。

カツオの味はなんといってもその保存方法によって天と地ほども変わります。漁師さんたちが同じカツオの群れで釣った同じカツオでも、その保存方法で水揚げされたときにそれぞれ価格が違うのです。

ご存知のように、カツオ漁には一本釣り(生きエサを撒いて散水して釣る方法) と、曳き釣りがありますが、曳き釣りで釣られたカツオの方が高い価格で取引されます。なぜかといいますと、カツオの一本釣りの場合は、次から次へとカツオを釣り上げるので、しめる前にカツオが死んでしまいます。片や曳き釣りの場合では、カツオを1本ずつ釣り上げ、釣り上げると同時に船縁にカツオの頭を思いきりたたきつけてから塩水の入った桶で血抜きしますから、身が柔らかく味が落ちないのです。

カツオの身は一般に氷を多くして冷やしすぎると硬くなるといわれます。保管は0~6度くらいが良いとされます。

このようにしてしめたカツオは臭みもないので、たたきにすることなく、刺身で美味しく食べられるのです。美味しいカツオは刺身で食べるものだということを忘れないで下さい。

■カツオを釣るためには


さて、カツオの曳き釣リですが、これはさほどむずかしいものではありません。カツオは水温と前日までの情報が分かればかなりの確率で釣れます。適水温は18~21度くらいです。適水温はその魚の好む水温ですから、海の状況によっては水温が違っていても釣れることもあリます。

ポイントは、例年では田辺沖から日置川沖、すさみ沖の3マイルから6マイルくらい、通称「本船航路」あたりですが、紀伊水道北部で黒潮の暖水波及が続いているときは、12月ごろ日の御崎の少し北、由良沖でヨコワ(メジ)が釣れた年もありました。

また、淡路島の北淡町に住む知人の話では、水温が下がらないので播磨灘のノリ網がまったくダメだということでした。

例年では黒潮の暖水波及の北限は日の御崎あたりですが、淡路島の南の沼島あたりにも黒潮があれば、カツオ仕掛けを流して本ガツオが釣れたときもあります。黒潮のブルーの潮と18度以上の水温があればカツオのいる可能性があります。

■マナーを守って釣りをしよう

最後にポイントですが、漁船がたくさんいるところは、当然カツオのいる可能性が高いのですが、これらの船はカツオの魚群を見つけるとエントツから黒い煙を出して船を走らせます。その船を遠巻きにしながらトローリングすれば釣れますので、決して漁船には近付かないことです。

沿岸の一本釣り漁船は春のカツオ漁が年間の水揚げの大部分を占めています。我々は彼等の職域を侵すようなことはしてはいけません。

カツオの魚群は、ベタ凪のときは水面にポツリポツリと雨粒が落ちたときのような波紋みたいに見えます。魚群がいないときはセオリ一通り潮目を探します。潮目は本船航路と平行して沿岸から2~7マイルあたりの間に何本かありますので、潮日を見失ったら、陸に船を向けたり、また沖に向かって行けば必ず潮目を見つけることができます。

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4.ハマチを釣る

2006-12-21


■紀伊水道の青物たち

紀伊水道および紀伊半島和歌山県沖は、ここ十数年もの間、黒潮の流れが潮岬南15マイルから20マイルくらいに安定していて、たくさんの回遊魚を連れてきてくれます。まさに「トローリングの国、和歌山」といったところです。

黒潮も近年紀伊半島に接岸することが多く、高水温域が、紀伊水道から大阪湾にまで至っています。

ハマチは関西ではモジャコ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと名前の変わる出世魚であることはよくご存じだと思います。15年ほど前はハマチの養殖が各地でさかんに行われていましたが、最近ではだいぶ少なくなりました。

ハマチの稚魚はモジャコといって、黒潮の側沿流域の流れ藻の中に棲んでいます。この藻をすくって、モジャコを補ってそれを育てるのがハマチの養殖ですが、近年はモジャコを捕らないので、天然ハマチが増えている傾向にあります。

例年8月中頃には、20センチくらいに成長したツバスが、大阪湾南部(友ケ島周辺)から湯浅あたりにかけて、同じような大きさの回遊魚に交じって釣れます。


回遊魚にはシイラ、カツオ、サゴシ、ヨコワの小さいのやキワダの小さいの、ソーダガツオ、サバなどが一緒に群れていることがあります。

夏が終り、秋が深くなってくると、ハマチからメジロ、ブリと釣れだします。あわせて、カンパチ、ヒラマサなども出てきます。

ポイントとして有名なところは、友ケ島周辺から大阪府と和歌山県の県境で大川峠沖から田倉岬沖にかけての、水深20メートル前後の岩礁地帯や根磯など。

また、日の御碕や田辺沖、潮岬灯台の下もメジロ、ブリのポイントとして有名です。

数年前の正月に、北村奉行さんが釣った17キロのブリの日本記録も、この辺りだと思います。

■潜行オモリでヒット率アップ


ブリは、ツバスやハマチのころは釣りやすい魚で、ルアーも小さめのタコベイト(2.0号から2.5号くらい)や、小さなフェザージグなどでも結構ヒットします。が、魚が大きくなるにしたがって釣りにくくなリます。ルアーにアクションがないとヒットしません。

狙いどきが朝マヅメで、太陽が昇る前後は、大きなブリも水面に出て補食します。このときはヒコーキにもヒットしますが、太陽が昇ってしまうと深場に潜ってしまうので、潜行板を使います。しかし、ときには昼間でもヒコーキやラビットにヒットすることもありますので、昼間も仕掛けは潜行板だけでなくヒコーキなども併用します。

私の場合は、50ポンドクラスのロッドとリールで小さな潜行板を曳きます。20センチ程度の木の葉型の潜行板やヤマシタのP型潜水板のP60というサイズを好んで使います。ルアーはメジのときのようなアワビ系のヘッドにタコベイトは3.0号くらい、潜水板から後のリーダーは1ヒロ以内です。


なぜロッドを使うかといいますと、ルアーに良いアクションが起こっているかどうか確認するためです。潜行板が左右に確実に振っていると、その運動がロッドの先に伝わってロッドの先がピコピコとおじぎをするように振ります。

もう1つ、ロッドを使用する場合の補助具として有効なのが潜行オモリ。600グラム、400グラム、250グラムの3種類あって、いろいろな場面で使える非常に便利なものです。これは舵社発行の『ビッグゲームトローリングのすべて』や『ライトトローリングのすべて』の著者で、故中田利夫氏が考案したものです。現在ペンリール・ジャパンやリガーマリンで発売されています。カマスサワラのときも、ルアーの前にこの潜行オモリを使いますと、ヒット率がアップします。

話をもどしますと、この潜行オモリにルアーを付けて曳きます。リーダーは3ヒロくらいでよいでしょう。潜行オモリは、船速によって潜る深さが大きく変わります。通常は、5~6ノットで曳くと、ときどき水面に潜行オモリが出てきますが、船速を3ノット以下におとすと非常に深く潜るので、微速で有効なルアー、たとえばキャスティング用のシンキングミノー、小アジのライブベイトやデッドベイトなどが有効です。

あと、グミ曳きでテンテンや弓ヅノもよく使われています。バクダン仕掛けも使ってみることをお勧めします。

最後に、グミや潜行オモリを使ってトローリングをするとき、くれぐれもボートを止めたり、後進したりしないこと。流している仕掛けがプロペラなどの推進機に絡まり、最悪の場合航行不能になってしまいます。

3.太刀魚(タチウオ)を釣る

2006-12-21

■関西のタチウオは初夏から秋にかけてが旬

外洋でしか釣ることのできないカツオやマグロと違って、タチウオは関西では大阪湾や瀬戸内海などの内海で釣ることができるため、我々にとってはとても身近な魚といえます。

関東では東京湾を中心に、秋から冬にかけて、乗り合い船の釣りなどで盛んです。ただし、こちらはタチウオのいる水深が何十メートルと深いため、曳き釣りで狙う人は少なく、重いオモリに魚の切り身などをつけた仕掛けで釣っています。

関西方面では、タチウオは初夏の頃、イワシや小アジなどの小魚を追って沿岸にやって来ます。夜間などは港の中にもどんどん入って来ますので、防波堤などで夜釣りでタチウオを釣る人もたくさんいます。

曳き釣りではなんといっても秋が本番です。タチウオの大きさも揃ってきますし、秋の方が味も美味しいです。

仕掛けは図のように、グミを3ヒロ(4.5メートル)ほどと、その先のテグスは30号を1ヒロ(1.5メートル)、先端にスナップスイベルを付けます。そしてタチウオ用(竹馬)の針です。

この仕掛けを左右のアウトリガーのタカヤマに接続します。取り手ヒモは、3ヒロ程度とほかの曳き釣り仕掛けにくらべると短く、比較的ボートからあまり離さずに曳きます。長さは左右とも同じでOKです。

そしてセンターからもう1本流します。これはグミが5ヒロ(7.5メートル)、先糸30号テグス1ヒロにスナップスイベル、タチウオ用針となり、グミから手元の道糸は3ヒロ程度です。

1人でおこなう場合には、このセンターの仕掛けを片手で持って操船します。船速は1~3ノットで潮流によって多少加減します。ただし、船速が遅いとはいえ、流している仕掛けばかり見ていると、他船や障害物に衝突するおそれがありますから、くれぐれも注意して下さい。馴れないうちは2人以上でやることをお勧めします。

 

■竹馬の善し悪しが決め手


仕掛けのグミの量の多少はあまりかまいません。あまったグミの切れっ端しをつないだり、またグミが無い場合は、50センチから60センチぐらいの、ボトムフィッシング用のテンビンに50号から60号のオモリを使って、同じ様な長さにすればOKです。そのほか曳くと沈んでいく潜行オモリを使うのもOKです。

仕掛けの先端は、1ヒロの30号の先糸テグスにスナップスイベルを付けてタチウオ用の針をつけたものです。このスナップスイベルを付ける理由というのは、タチウオの歯は大変鋭くカミソリのように良く切れるからです。

タチウオ用の針にタチウオが食いついたとき、その歯で30号のテグスを切られないようにスナップスイベルを付けます。よくワイヤーを針元に使われる方がいますが、私の場合、仕掛けの動きが悪くなるのでワイヤーは使いません。

タチウオ用の針とは、写真のように長くて鉛を鋳込んだもので、通杯『竹馬』 といいます。なるほどよく見ると竹馬に似たような形をしています。

一般的にはこの針にドジョウを刺して細い針金で巻き付けますが、最近はドジョウがなかなか手に入らないので、ドジョウの形をしたビニールベイトがよく使われます。

私は魚皮などを使います。よく使うものではウツボ、イシダイ、ボラ、マグロ、サーモン、そのほか鶏などの皮。それにエソの腹ビレ付近なども使ったりします。なかでも鶏の皮は、タチウオが良く食うし、長持ちするので多用されます。タチウオ釣りではこの 『竹馬』が釣果を大きく左右します。

ビニールベイトにしろ、魚皮にしろ、『竹馬』に刺して細いステンレスの針金で巻き付けた後、針から後ろに2センチから3センチ程、尻尾の様にヒラヒラさせるのがコツです。 竹馬。ビニールベイトを巻いたもの。 タチウオはその手軽さから最近ではルアーフィッシングのターゲットとしても人気。

■狙うは朝夕のマヅメ時

昼間タチウオは、沖の少し深場で沈み磯やカケアガリの付近で、立って泳ぎながら群れています。この場所がわかればしめたもの。タチウオはサワラ釣りのテンテン針にもよくヒットします。大阪湾ではサワラを釣りながら、このタチウオやハマチなどもよくヒットします。

昼間のポイントは、セオリー通りの沈み磯、沈船、カケアガリのある航路筋などですが、なんといってもタチウオのベストタイムは朝夕のマヅメ時です。この時間はタチウオの食事どきです。大阪湾や瀬戸内海では、夕方にイワシや小アジのナブラが水面に浮上して何かに追われているようなことがよくあります。この場合、その下にはタチウオの群れがいる可能性が大きいのです。魚探で探ればすぐにわかります。

ポイントを魚探で探りながら、最初は深いところを、手に持ったセンターの仕掛けで探ります。センターの仕掛けにはグミを5ヒロとっていますので、左右の仕掛けよりも沈みやすいからです。船速を加減することで仕掛けの深さも変わります。まず深い所で1本ヒットしたら、あとはどんどん群れが浅いところまで追い食いしてきます。

朝夕のマヅメ時に釣るとなると、日の出前の出航や日没後の帰港といったことが当然でてきます。夜間航行には特に注意して、あらかじめタチウオのいそうな場所を特定しておくことが大切です。

それと、タチウオの歯にはくれぐれも御用心。それから、魚皮や鵜の皮を使った針は、針だけをはずし(魚皮は巻いたまま)、密封容器などに入れて冷凍保管すればある程度はくりかえし使えます。

身近で簡単に釣れるタチウオ。特別難しいテクニックも必要ありません。みなさんもぜひ試してみて下さい。

ライトトローリング

2006-12-14

このコーナーでは、「トローリング入門」で説明した基本をもとに、ユニークで的を得た曳き釣り(曳き縄釣り)仕掛けを組み合わせて使用した、対象魚ごとの仕掛け、釣り方をわかりやすく解説します。どんなときにどうやって使うのか、どうすれば釣れるのか、どんなところを流すのか、といった具体的な道具の使い方を紹介します。


1.「カツオ」を釣る


「目に青葉、山ホトトギス、初鰹」という句にあるように、黒潮の水温が変わらない限り、この時期カツオは日本の太平洋沿岸にやってきます。昔カツオは江戸っ子が嫁を質屋に置いてでも食ったといわれるほど美味しい魚です。とくに漁師の間で「もちガツオ」と呼ばれる身がもちのように柔らかくてもちもちしたカツオは絶品です。

コチラから ⇒ 1.カツオを釣る


2.「サワラ」を釣る


4月からゴールデンウィークにかけて紀伊水道ではカツオがどんどん釣れているとき、1メートル前後の大きなサワラ(本鰆)が、大阪湾や瀬戸内海に産卵のためにやってきます。
関西ではハマチ同様、モバコ、サゴシ、ヤナギ、サワラと名前の変わる出世魚です。ここではカマスサワラなどの外洋性のものではなく、体に斑点のある食べておいしい「本鰆」の仕掛けを紹介します。

コチラから ⇒ 2.サワラを釣る


3.「太刀魚(タチウオ)」を釣る


太刀魚と書いてタチウオ。海に投げ入れられた太刀が魚に化けたなど、この魚には怖い伝説がいろいろとあります。しかし、タチウオの食味は、その名前や細身の体からは想像できないほど美味。タチウオを釣るための手軽な曳き釣りの方法を紹介します。

コチラから ⇒ 3.太刀魚(タチウオ)を釣る


4.「ハマチ」を釣る


ハマチは関西ではモジャコ → ツバス → ハマチ → メジロ → ブリと名前の変わる出世魚であることはよくご存知だと思います。
15年ほど前はハマチの養殖が各地でさかんに行われていましたが、最近ではだいぶ少なくなりました。
ハマチの稚魚はモジャコといって、黒潮の側沿流域の流れ藻の中に棲んでいます。この藻をすくってモジャコを捕ってそれを育てるのがハマチの養殖ですが、近年はモジャコを捕らないので、天然ハマチが増えている傾向にあります。紀伊水道付近のハマチ釣りについて解説します。

コチラから ⇒ 4.ハマチを釣る


5.「メジ(ヨコワ)」を釣る

メジとはクロマグロの子供です。
メジはわれわれプレジャーボートにとってとても釣りにくく、そして憧れの魚です。その仕掛けには実にさまざまな工夫があり、まさに「究極の曳き釣縄釣り」の一つといえます。

コチラから ⇒ 5.メジ(ヨコワ)を釣る


 

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