ライトトローリング
4.ハマチを釣る
■紀伊水道の青物たち
紀伊水道および紀伊半島和歌山県沖は、ここ十数年もの間、黒潮の流れが潮岬南15マイルから20マイルくらいに安定していて、たくさんの回遊魚を連れてきてくれます。まさに「トローリングの国、和歌山」といったところです。
黒潮も近年紀伊半島に接岸することが多く、高水温域が、紀伊水道から大阪湾にまで至っています。
ハマチは関西ではモジャコ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと名前の変わる出世魚であることはよくご存じだと思います。15年ほど前はハマチの養殖が各地でさかんに行われていましたが、最近ではだいぶ少なくなりました。
ハマチの稚魚はモジャコといって、黒潮の側沿流域の流れ藻の中に棲んでいます。この藻をすくって、モジャコを補ってそれを育てるのがハマチの養殖ですが、近年はモジャコを捕らないので、天然ハマチが増えている傾向にあります。
例年8月中頃には、20センチくらいに成長したツバスが、大阪湾南部(友ケ島周辺)から湯浅あたりにかけて、同じような大きさの回遊魚に交じって釣れます。
回遊魚にはシイラ、カツオ、サゴシ、ヨコワの小さいのやキワダの小さいの、ソーダガツオ、サバなどが一緒に群れていることがあります。
夏が終り、秋が深くなってくると、ハマチからメジロ、ブリと釣れだします。あわせて、カンパチ、ヒラマサなども出てきます。
ポイントとして有名なところは、友ケ島周辺から大阪府と和歌山県の県境で大川峠沖から田倉岬沖にかけての、水深20メートル前後の岩礁地帯や根磯など。
また、日の御碕や田辺沖、潮岬灯台の下もメジロ、ブリのポイントとして有名です。
数年前の正月に、北村奉行さんが釣った17キロのブリの日本記録も、この辺りだと思います。
■潜行オモリでヒット率アップ
ブリは、ツバスやハマチのころは釣りやすい魚で、ルアーも小さめのタコベイト(2.0号から2.5号くらい)や、小さなフェザージグなどでも結構ヒットします。が、魚が大きくなるにしたがって釣りにくくなリます。ルアーにアクションがないとヒットしません。
狙いどきが朝マヅメで、太陽が昇る前後は、大きなブリも水面に出て補食します。このときはヒコーキにもヒットしますが、太陽が昇ってしまうと深場に潜ってしまうので、潜行板を使います。しかし、ときには昼間でもヒコーキやラビットにヒットすることもありますので、昼間も仕掛けは潜行板だけでなくヒコーキなども併用します。
私の場合は、50ポンドクラスのロッドとリールで小さな潜行板を曳きます。20センチ程度の木の葉型の潜行板やヤマシタのP型潜水板のP60というサイズを好んで使います。ルアーはメジのときのようなアワビ系のヘッドにタコベイトは3.0号くらい、潜水板から後のリーダーは1ヒロ以内です。
なぜロッドを使うかといいますと、ルアーに良いアクションが起こっているかどうか確認するためです。潜行板が左右に確実に振っていると、その運動がロッドの先に伝わってロッドの先がピコピコとおじぎをするように振ります。
もう1つ、ロッドを使用する場合の補助具として有効なのが潜行オモリ。600グラム、400グラム、250グラムの3種類あって、いろいろな場面で使える非常に便利なものです。これは舵社発行の『ビッグゲームトローリングのすべて』や『ライトトローリングのすべて』の著者で、故中田利夫氏が考案したものです。現在ペンリール・ジャパンやリガーマリンで発売されています。カマスサワラのときも、ルアーの前にこの潜行オモリを使いますと、ヒット率がアップします。
話をもどしますと、この潜行オモリにルアーを付けて曳きます。リーダーは3ヒロくらいでよいでしょう。潜行オモリは、船速によって潜る深さが大きく変わります。通常は、5~6ノットで曳くと、ときどき水面に潜行オモリが出てきますが、船速を3ノット以下におとすと非常に深く潜るので、微速で有効なルアー、たとえばキャスティング用のシンキングミノー、小アジのライブベイトやデッドベイトなどが有効です。
あと、グミ曳きでテンテンや弓ヅノもよく使われています。バクダン仕掛けも使ってみることをお勧めします。
最後に、グミや潜行オモリを使ってトローリングをするとき、くれぐれもボートを止めたり、後進したりしないこと。流している仕掛けがプロペラなどの推進機に絡まり、最悪の場合航行不能になってしまいます。
