ライトトローリング
3.太刀魚(タチウオ)を釣る
■関西のタチウオは初夏から秋にかけてが旬
外洋でしか釣ることのできないカツオやマグロと違って、タチウオは関西では大阪湾や瀬戸内海などの内海で釣ることができるため、我々にとってはとても身近な魚といえます。
関東では東京湾を中心に、秋から冬にかけて、乗り合い船の釣りなどで盛んです。ただし、こちらはタチウオのいる水深が何十メートルと深いため、曳き釣りで狙う人は少なく、重いオモリに魚の切り身などをつけた仕掛けで釣っています。
関西方面では、タチウオは初夏の頃、イワシや小アジなどの小魚を追って沿岸にやって来ます。夜間などは港の中にもどんどん入って来ますので、防波堤などで夜釣りでタチウオを釣る人もたくさんいます。
曳き釣りではなんといっても秋が本番です。タチウオの大きさも揃ってきますし、秋の方が味も美味しいです。
仕掛けは図のように、グミを3ヒロ(4.5メートル)ほどと、その先のテグスは30号を1ヒロ(1.5メートル)、先端にスナップスイベルを付けます。そしてタチウオ用(竹馬)の針です。
この仕掛けを左右のアウトリガーのタカヤマに接続します。取り手ヒモは、3ヒロ程度とほかの曳き釣り仕掛けにくらべると短く、比較的ボートからあまり離さずに曳きます。長さは左右とも同じでOKです。
そしてセンターからもう1本流します。これはグミが5ヒロ(7.5メートル)、先糸30号テグス1ヒロにスナップスイベル、タチウオ用針となり、グミから手元の道糸は3ヒロ程度です。
1人でおこなう場合には、このセンターの仕掛けを片手で持って操船します。船速は1~3ノットで潮流によって多少加減します。ただし、船速が遅いとはいえ、流している仕掛けばかり見ていると、他船や障害物に衝突するおそれがありますから、くれぐれも注意して下さい。馴れないうちは2人以上でやることをお勧めします。
■竹馬の善し悪しが決め手
仕掛けのグミの量の多少はあまりかまいません。あまったグミの切れっ端しをつないだり、またグミが無い場合は、50センチから60センチぐらいの、ボトムフィッシング用のテンビンに50号から60号のオモリを使って、同じ様な長さにすればOKです。そのほか曳くと沈んでいく潜行オモリを使うのもOKです。
仕掛けの先端は、1ヒロの30号の先糸テグスにスナップスイベルを付けてタチウオ用の針をつけたものです。このスナップスイベルを付ける理由というのは、タチウオの歯は大変鋭くカミソリのように良く切れるからです。
タチウオ用の針にタチウオが食いついたとき、その歯で30号のテグスを切られないようにスナップスイベルを付けます。よくワイヤーを針元に使われる方がいますが、私の場合、仕掛けの動きが悪くなるのでワイヤーは使いません。
タチウオ用の針とは、写真のように長くて鉛を鋳込んだもので、通杯『竹馬』 といいます。なるほどよく見ると竹馬に似たような形をしています。
一般的にはこの針にドジョウを刺して細い針金で巻き付けますが、最近はドジョウがなかなか手に入らないので、ドジョウの形をしたビニールベイトがよく使われます。
私は魚皮などを使います。よく使うものではウツボ、イシダイ、ボラ、マグロ、サーモン、そのほか鶏などの皮。それにエソの腹ビレ付近なども使ったりします。なかでも鶏の皮は、タチウオが良く食うし、長持ちするので多用されます。タチウオ釣りではこの 『竹馬』が釣果を大きく左右します。
ビニールベイトにしろ、魚皮にしろ、『竹馬』に刺して細いステンレスの針金で巻き付けた後、針から後ろに2センチから3センチ程、尻尾の様にヒラヒラさせるのがコツです。 竹馬。ビニールベイトを巻いたもの。 タチウオはその手軽さから最近ではルアーフィッシングのターゲットとしても人気。
■狙うは朝夕のマヅメ時
昼間タチウオは、沖の少し深場で沈み磯やカケアガリの付近で、立って泳ぎながら群れています。この場所がわかればしめたもの。タチウオはサワラ釣りのテンテン針にもよくヒットします。大阪湾ではサワラを釣りながら、このタチウオやハマチなどもよくヒットします。
昼間のポイントは、セオリー通りの沈み磯、沈船、カケアガリのある航路筋などですが、なんといってもタチウオのベストタイムは朝夕のマヅメ時です。この時間はタチウオの食事どきです。大阪湾や瀬戸内海では、夕方にイワシや小アジのナブラが水面に浮上して何かに追われているようなことがよくあります。この場合、その下にはタチウオの群れがいる可能性が大きいのです。魚探で探ればすぐにわかります。
ポイントを魚探で探りながら、最初は深いところを、手に持ったセンターの仕掛けで探ります。センターの仕掛けにはグミを5ヒロとっていますので、左右の仕掛けよりも沈みやすいからです。船速を加減することで仕掛けの深さも変わります。まず深い所で1本ヒットしたら、あとはどんどん群れが浅いところまで追い食いしてきます。
朝夕のマヅメ時に釣るとなると、日の出前の出航や日没後の帰港といったことが当然でてきます。夜間航行には特に注意して、あらかじめタチウオのいそうな場所を特定しておくことが大切です。
それと、タチウオの歯にはくれぐれも御用心。それから、魚皮や鵜の皮を使った針は、針だけをはずし(魚皮は巻いたまま)、密封容器などに入れて冷凍保管すればある程度はくりかえし使えます。
身近で簡単に釣れるタチウオ。特別難しいテクニックも必要ありません。みなさんもぜひ試してみて下さい。
