5.曳き縄釣り仕掛け—その役割と効果

2006-12-21

■曳き釣り仕掛けの各部名称と役割

私たちがふだん食べたい魚、例えばカツオ、メジ(ヨコワ)、ブリ、サワラなどを釣るための道具には一体どんなものがあるのでしょう。まず思いつくのがロッドとリールではないでしょうか。いわゆるアメリカで盛んなトローリングと呼ばれるスタイルです。

しかし、日本にも曳き縄釣りといって、ルアーを船で流して魚を釣る釣法があります。曳き縄釣り仕掛けにはルアーに動きを与えてルアーを最大限にアピールさせるもの、集魚効果をもたらすものなど、魚のヒット率をアップさせるためのいろいろな道具(補助具)があります。それぞれは実に理にかなっていて、それらを使い分けることによってさまざまな魚を釣ることができます。では、その特長をご説明しましょう。

その前に、漁師言葉では寸法を表すとき一ヒロ、二ヒロといいます。一ヒロは両手をいっぱいに広げて、指先から指先までの寸法、個人差はありますが約1.5メートルです。半ピロは一ヒロの半分、矢ビキとは弓矢を射る格好の指先から指先までの寸法、約1メートルです。

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■ヒコーキ

いちばん多用される集魚器で、左右に飛行機のような翼があるためヒコーキと呼ばれています。ヒコーキはカツオの場合は30センチ程度のもの、カジキにも有効で大きめの40センチ程度のものが使われます。両翼で水しぶきをかき上げ、その水しぶきの飛散が小魚の魚群(ナブラ)を表現しているといわれ、カジキの場合はヒコーキ白身にアタックしてくる場合もあります。風波が強い場合はヒコーキが浪に翻弄されてルアーの動きが不安定になってしまうため、逆効果になることがあります。

購入する時は対象魚に合わせた大きさで、なるべく重量感のあるもの、そして性能の良いスイベル(ラインを結ぶ金具)の付いたものを選びましょう。

ヒコ-キを流す場合の調整で一番大切なのは船速です。ヒコーキが作る水しぶきが最大に近い状態に船速を調節します。この時ヒコーキの重さも重要で、重すぎると水しぶきを出すには船速が早くなりすぎてしまったり、逆に軽すぎると浪や風に流されて隣の仕掛けなどに絡まってしまいます。

■ラビット

「卜ローリングラビット」という商品名で∃ーヅリ社から販売されています。ラビット(兎) のような形をしていて、ヒコーキと同じで曳くと水しぶきを上げます。ヒコーキに比べて翼も小さく水しぶきも少ないので、ベイトフィッシュをイメージさせるおとりのような感じです。カジキやマグロのビッグゲームの時などにはヒコーキより有効とも言われています。

ちなみに私が作ったもので、10センチあまりのラビットの後に三連のタコベイトをセットしたティーザー(集魚器)がありますが、これはカツオやメジには抜群のヒット率です。

ラビットの調整は基本的にヒコーキと同じですが、翼が小さいのでヒコーキほど神経質にはならなくても大丈夫です。

■潜行板

潜行板とは、曳くと海中に潜行して繋いだルアーを沈めます。それによって太陽の位置が高くなって対象魚が中層に潜った時など、表層では釣ることのできない時に使用するものです。

海中では水の抵抗により板が左右に振れ、ルアーに左右の動きをつけます。形は木船のようなもので、魚がヒットすると板が反転して水面に浮上します。

潜行板は凧あげと同じで、クルクルと回って落ちる凧に、足を付けて抵抗をもたせると安定するように、クルクルと回って水面に浮いてきてしまう潜行板は、板の後部に取り付けたゴムを大きくするか、タコ糸を潜行板の後部に結わって抵抗をつけて調整します。

潜行板からルアーまでの長さはカツオやメジなど対象魚によって変わってきます。細かくはライトトローリングのコーナーで、それぞれ対象魚別に紹介します。

■バクダン

球を半分に切ったおわんのような形をしています。爆弾を水面に投下したくらい(大袈裟ですが)大きな水しぶきを上げることからバクダンと呼ばれています。大きな抵抗を生むために、球を半分に切った平面のほうを進行方向に向けて曳きます。

バクダンの後ろにもグミ(ビシマ糸)を使って少し抵抗をつけながら曳くと、水の抵抗によってバクダンが空中に上がったり、水面に落ちたりという動作を2~3秒間隔で繰り返します。

バクダンが水面に落ちたとき、水の抵抗でアウトリガーがしなります。そして空中に飛び上がったときアウトリガーはまっすぐになり、その動きがルアーをさびく(さびくとはルアーの動きに極端な緩急をつけること)のです。

バクダン仕掛けの場合、一般にシャビキというルアーが使われます。このルアーは特にさびかれたときに潜行板のように左右に振りながら小魚の動きを微妙に表現します。したがって通常では釣りにくいメジのヒット率が上がります。

購入する時は大きさが2、3種類ありますので自分のボートに取り付けたアウトリガーの強度に合わせた選択が必要です。

バクダンを流す場合の調整は難しく、アウトリガーの水面からの高さ、アウトリガー先端からバクダンまでの長さ、バクダンから後ろの仕掛けの長さとグミの重さ、船速など、いろんな要素によリバクダンの落下回数、滞空時間などが変わってきます。もちろんアウトリガーの強度も重要です。

ヒコーキやラビット、潜行板、バクダンは木やプラスチックなどでできたものが多く、いずれも漁具店や比較的大きな釣具店で1500円~5000円程で手に入れることができます。

■グミ(ビシマ糸)

おもにブリやメジロ(ワラサ)や本ザワラを狙う時に使います。グミ型(小さな球形)の鉛のオモリの中をテグスが通っていて、例えば基糸40号のテグスに3匁(もんめ、一匁は3.75グラム)のグミが20センチ間隔に付いているといった具合の市販されているものを使います。

すべてがグミの付いた糸ではなく、その対象魚の泳層にルアーを沈めることができるグミの量を決めるわけですが、もちろん船のスピードも大きく関係してきます。

グミ白身が適当な水深までルアーを沈めてくれるものではありますが、ヒコーキやバクダンのようにルアーにアクションをつけるものではないので、ルアー自身に動きのあるテンテンや弓角が有効です。

ちなみに私の知り合いの方でサンマのデッドベイトを工夫してキャップとオモリを付け、3ノットくらいでサンマが泳いでいるように表現して、ヒラマサやブリを釣った方がいます。

今まで説明してきたように、曳き縄釣りには実にユニークで的を射た仕掛けがあります。それらの意味や重要性がご理解いただけたら、ライトトローリングやビッグゲームのページで、これらの道具を組み合わせて使った対象魚ごとの仕掛けを図解し、どんなときにどうやって使うのか、どうすれば釣れるのか、どんなところを流すのかといった具体的な道具の使い方を紹介します。

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