3.トローリングの艤装(応用編)

2006-12-21

■どんな魚を狙うのか

トローリングの艤装を考える時、まずはそのボートでどんな魚を狙うのかを決めなければなりません。それはあなたが釣りたいと思う魚であり、あなたのボートで航行可能な海域にいる魚でもあります。

もちろん一種類の魚しか狙わないなんて方はいないでしょうが、とりあえず釣りたい、および釣ることができる魚が分からないと、艤装を決めることはできません。

例えば、サバなどのように比較的小さな魚を狙うのに、カジキを狙うための大がかりな艤装は必要ありませんし、かえって使いにくくなるだけです。逆も同じで、カジキのような大型の魚を狙うのに、小さな魚を想定した艤装では用を足しません。要は狙う対象魚に対して最適な艤装が望ましいわけです。

私の場合を例にとりますと、和歌山県田辺港にボートを係留保管しております。航行範囲は北は日の岬の北の白崎辺りから、南は周参見(すさみ)の南のアンダキノ崎くらいまでの、本州海岸から10海里以内の水域に限られています。

この海域には周年黒潮の本流が潮岬南15~20海里のあたりを流れ、分支流がいつも日の岬付近まで流れ込んでいます。紀伊水道では和歌山県側の海岸から3~5海里あたりに本船航路があり、そのあたりが春のカツオのポイントになります。それは本船航路付近にちょうど大陸棚の落ち込みがあるため、潮目ができ、それに流れ藻などが帯状に広がり、ベイトフィッシュとなる小魚がつくからなのです。

この頃のカツオは最大級で8キロほどで、まれにマグロ類でも15キロクラスがヒットすることがあります。また秋のもどリガツオやその後に回遊するメジマグロは、2~3キロが主流です。

もちろん夏はカジキもやって来ます。つい最近破られはしましたが、日本記録のクロカワカジキもこの海域で釣れました。カマスサワラは20キロクラス、シイラの10キロクラスもよく釣れます。

したがって、カツオ類からカマスサワラ、シイラやカジキまで、私の船にはこれらの魚達を狙うための艤装が施されているわけです。欲張りかもしれませんが、日本でも屈指のポイント(漁場)だから仕方ありません。

■タックル別アウトリガー選び

ロッドやリールを使わずルアーをじかに曳き、アウトリガーのしなりやショックコードを利用して、魚がヒットしたときにラインにかかるテンションをやわらげるカツオ釣り専用の漁師仕掛けがあります。この場合のアウトリガーは魚がヒットした際に、その衝撃に耐えられるFRP製のものを使います。

しかし、この仕掛けは10キロ程度の魚を釣るのが限界です。それ以上の大物がヒットした場合は、リールのようにドラグ機能(ラインにある一定以上の力が掛かった時にラインを放出し、ライン切れを防ぐ装置)を持たないために、ほとんどの場合はラインが切れてしまいます。

10キロ以上の魚を狙う場合には、ヒットしたときの衝撃を吸収するためのロッドや、魚の力に対してラインの放出を行うリールが必要です。

この場合のアウトリガーポールは、FRP製でも、アルミ製でも、スプレッダー夕イプでも、いずれの場合もOKです。

■ロッド&リールを使う場合のアウトリガーのリリース装置


漁師仕掛け(引き縄仕掛け)の場合、アウトリガーの先端から手元のコードがあれば良しで、そのコードと仕掛けのコードの間には三つ又サルカンにて取り手ヒモを枝に取ります。ただ、ロッド&リールを使う場合は、リリース装置にラインを通し、そのリリース装置をアウトリガーの先端まで旗上げ式に送り出し、かつ、魚がヒットしたらラインとリリース装置が離れなければいけないのです。 リリ-ス装置には、いくつかの種類があります。まず、ラバーバンド(輪ゴム)をラインに固く数回巻き付け、両端をクリップに接続するラバー式。ローラーにラインを通して折り畳むノックアウトクリップ式やローラートローラー式、リリースピンを押さえつける力を調整するリリースピン式など。

アウトリガーの効用は、何もスタイルや複数のタックルを流すためだけではありません。アウトリガー先端の高い所から引いたルアーと、ロッドからダイレクトに低い所から引いたルアーでは、そのアクションに大きな違いがあります。

また、ルアーにも重いもの、軽いもの、ヘッドの先端をカットしたものなど、それぞれに特性があります。 つまり、それぞれのルアーの特性を活かしたポジションを選び出し、アウトリガーを使いこなせば、ボート全体があなたのタックルとなり得るのです。

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